Category: The White Rapper Show
次のエミネムはこいつだ
今年の1月から放送が開始され、アメリカで話題を呼んでいるテレビ番組「The White Rapper Show」。 エミネムに続く優れた白人のラッパーを捜すというこの番組。 以前からその動向をここでお伝えしてきましたが、その後どうなったのでしょうか?? ということで今回は激動の最終回の模様をお伝えします! 番組当初にオーディションに参加した1000人の白人ラッパー達の中から決勝ラウンドまで残ったのはこの2名です。

ジョン・ブラウン (John Brown)
本名 Greg Kaysen。 カルフォルニア出身の26歳。
自称「郊外の王様」。口癖は「ハレルヤ・ホラバック」
支離滅裂な言動とは裏腹に、リリシストとしての才能は極めて高い。
誰を前にしても決して物怖じせず自我を通す度胸の持ち主。

シャムロック ($hamrock)
本名 Timothy Rasmussen。 アトランタ出身の23歳。
ポール・ウォールばりの金の入れ歯がチャームポイント。
独特なメロディを持つフローと早口ラップが特徴。
クレイジーなジョン・ブラウンとは対称的にとても良識派。
最終回では番組の司会を務めるMCサーチが、この2人を Rucker Park に連れて行くところから始まります。 ここはニューヨークのハーレムにある有名な屋外バスケットコート。 由緒あるこの場所で、ジョン・ブラウンとシャムロックはバスケの試合のハーフタイムショウでパフォーマンスすることになります。 客席は地元市民で埋め尽くされ、熱気ムンムン。 その雰囲気に圧倒されて、普段はクールなジョン・ブラウンも「 客にウケなかったらどうしよう 」と、いつになく弱気な発言が飛び出します。 そんな緊張感が漂うなか、いよいよ彼らのライブが始まります。

まずはシャムロックから。 そこで予期せぬトラブルが発生! なんとマイクの音量が小さくて、シャムロックのラップが会場に全然聞こえないという最悪の事態に。 観客もしらけムードのまま、無残にもシャムロックの出番は終了してしまいます。 続くジョン・ブラウンは、マイクトラブルもなく、あぶなげなくラップし、会場からのウケも上々。 本番に強いところを見せ付けます。

思わぬマイクトラブルにタオルをブンブン振り回して悔しがるシャムロック。 気の毒に思ったMCサーチは、もう一度シャムロックにラップさせてあげます。 挽回するぞとばかりにマイクを握ったシャムロックですが、今度はパフォーマンスしている最中に金の入れ歯が外れてしまうと言うトラブルが発生(笑) 指で入れ歯を押さえながらなんとか切り抜けます。 不運なトラブルに見舞われたシャムロック。 ここではジョン・ブラウンが一歩リードといった感じでライブは終わります。
Shamrock & John Brown - Performance in Rucker Park
しかしこれはあくまでも小手調べ。
ウォーミングアップにしかすぎません。
最終決着はその日の夜に行われることになりました。
場所はニューヨークのダウンタウンにある怪しさ漂うアンダーグラウンドなクラブ「 Hell 」。 会場の入りは満員。 特別審査員としてプリンス・ポール、ダンテ・ロス、クリントン・スパークスといった中堅どころのプロデューサー達も駆けつけました。 ここでジョン・ブラウンとシャムロックは、自作の曲を順番に2曲パフォーマンスします。 会場の反応などを踏まえながら、MCサーチをはじめとした審査員達が吟味し、最終的に優勝者を選ぶと言う流れで進んでいきます。

まずはジョン・ブラウン。 歯切れの良いラップフロウで、一字一句詰まることなく、完璧にパフォーマンスしてみせます。 次にシャムロック。 トゥイスタばりの早口ラップで攻めていきます。 途中リズムを外してしまう所もありましたが、そのまま勢いで押し通しオリジナリティ溢れるところをアピールしました。

そしてジョン・ブラウンの2曲目。 「Car Wars」と題したその曲は、車社会・石油問題をテーマにした社会派ソング。 彼のリリシストとしての才覚を遺憾なく発揮します。 一方のシャムロックは、明るいパーティーチューンで勝負。 笑顔で「ヘーイ、ヘーイ」とステップを踏みながら会場を煽ります。 ラップと歌を混ぜあわせたパフォーマンスを展開し、最後は観客もサビ部分を口ずさみ、会場全体は一体感に包まれます。
John Brown & Shamrock - Final Performance
ライブを終えた2人は、いったん舞台裏へ。
そこでシャムロックがジョン・ブラウンに声をかけます。
「お互い全力でやったし、どっちが優勝してもおかしくないと思う。
もしお前が優勝したとしても、俺はお前を祝福したいと思ってる。」

一方会場では審査員達が互いの感想を述べ合あいながら、誰が優勝に値するかを検討します。 長い長い議論の後、いよいよ発表の時がやってきます。 ステージに現れた2人を祝福しながら、MCサーチは今回のパフォーマンスについてこう感想を述べます。
「シャムロック、君のパフォーマンスは見ていて楽しかったよ。もし1つだけ言うのならば、観客を盛り上げることに固執しすぎた感があったかな。 ジョン・ブラウン、君の書いたリリックには驚かされたよ。 まさに君のリリシストとしての高い能力があってからこそ出来た曲だと思う。 ただ、ああいう難しいテーマを扱った曲は、観客がノリにくいんだよね。 そこが唯一残念だったと思う。」
そしてMCサーチが優勝者の名前を発表します。
サーチの口から発せられたのはシャムロックの名前でした。

優勝賞金は、滞納していた家賃の返済、妹の進学費用、
両親への恩返し、そして今後の音楽活動にあてたいと語りました。
長い激闘を経て頂点に立ったシャムロック。
次のエミネムと期待される彼は、たった今スタートを切ったばかりです。
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◎ 今日の独り言 ◎
実はこの結果は、アメリカでは賛否両論を呼びました。
ジョン・ブラウンこそ優勝にふさわしいと言う声が意外に多いようです。
皆さんはどう感じましたが?(*´∇`*)

ジョン・ブラウン (John Brown)
本名 Greg Kaysen。 カルフォルニア出身の26歳。
自称「郊外の王様」。口癖は「ハレルヤ・ホラバック」
支離滅裂な言動とは裏腹に、リリシストとしての才能は極めて高い。
誰を前にしても決して物怖じせず自我を通す度胸の持ち主。

シャムロック ($hamrock)
本名 Timothy Rasmussen。 アトランタ出身の23歳。
ポール・ウォールばりの金の入れ歯がチャームポイント。
独特なメロディを持つフローと早口ラップが特徴。
クレイジーなジョン・ブラウンとは対称的にとても良識派。
最終回では番組の司会を務めるMCサーチが、この2人を Rucker Park に連れて行くところから始まります。 ここはニューヨークのハーレムにある有名な屋外バスケットコート。 由緒あるこの場所で、ジョン・ブラウンとシャムロックはバスケの試合のハーフタイムショウでパフォーマンスすることになります。 客席は地元市民で埋め尽くされ、熱気ムンムン。 その雰囲気に圧倒されて、普段はクールなジョン・ブラウンも「 客にウケなかったらどうしよう 」と、いつになく弱気な発言が飛び出します。 そんな緊張感が漂うなか、いよいよ彼らのライブが始まります。

まずはシャムロックから。 そこで予期せぬトラブルが発生! なんとマイクの音量が小さくて、シャムロックのラップが会場に全然聞こえないという最悪の事態に。 観客もしらけムードのまま、無残にもシャムロックの出番は終了してしまいます。 続くジョン・ブラウンは、マイクトラブルもなく、あぶなげなくラップし、会場からのウケも上々。 本番に強いところを見せ付けます。

思わぬマイクトラブルにタオルをブンブン振り回して悔しがるシャムロック。 気の毒に思ったMCサーチは、もう一度シャムロックにラップさせてあげます。 挽回するぞとばかりにマイクを握ったシャムロックですが、今度はパフォーマンスしている最中に金の入れ歯が外れてしまうと言うトラブルが発生(笑) 指で入れ歯を押さえながらなんとか切り抜けます。 不運なトラブルに見舞われたシャムロック。 ここではジョン・ブラウンが一歩リードといった感じでライブは終わります。
Shamrock & John Brown - Performance in Rucker Park
しかしこれはあくまでも小手調べ。
ウォーミングアップにしかすぎません。
最終決着はその日の夜に行われることになりました。
場所はニューヨークのダウンタウンにある怪しさ漂うアンダーグラウンドなクラブ「 Hell 」。 会場の入りは満員。 特別審査員としてプリンス・ポール、ダンテ・ロス、クリントン・スパークスといった中堅どころのプロデューサー達も駆けつけました。 ここでジョン・ブラウンとシャムロックは、自作の曲を順番に2曲パフォーマンスします。 会場の反応などを踏まえながら、MCサーチをはじめとした審査員達が吟味し、最終的に優勝者を選ぶと言う流れで進んでいきます。

まずはジョン・ブラウン。 歯切れの良いラップフロウで、一字一句詰まることなく、完璧にパフォーマンスしてみせます。 次にシャムロック。 トゥイスタばりの早口ラップで攻めていきます。 途中リズムを外してしまう所もありましたが、そのまま勢いで押し通しオリジナリティ溢れるところをアピールしました。

そしてジョン・ブラウンの2曲目。 「Car Wars」と題したその曲は、車社会・石油問題をテーマにした社会派ソング。 彼のリリシストとしての才覚を遺憾なく発揮します。 一方のシャムロックは、明るいパーティーチューンで勝負。 笑顔で「ヘーイ、ヘーイ」とステップを踏みながら会場を煽ります。 ラップと歌を混ぜあわせたパフォーマンスを展開し、最後は観客もサビ部分を口ずさみ、会場全体は一体感に包まれます。
John Brown & Shamrock - Final Performance
ライブを終えた2人は、いったん舞台裏へ。
そこでシャムロックがジョン・ブラウンに声をかけます。
「お互い全力でやったし、どっちが優勝してもおかしくないと思う。
もしお前が優勝したとしても、俺はお前を祝福したいと思ってる。」

一方会場では審査員達が互いの感想を述べ合あいながら、誰が優勝に値するかを検討します。 長い長い議論の後、いよいよ発表の時がやってきます。 ステージに現れた2人を祝福しながら、MCサーチは今回のパフォーマンスについてこう感想を述べます。
「シャムロック、君のパフォーマンスは見ていて楽しかったよ。もし1つだけ言うのならば、観客を盛り上げることに固執しすぎた感があったかな。 ジョン・ブラウン、君の書いたリリックには驚かされたよ。 まさに君のリリシストとしての高い能力があってからこそ出来た曲だと思う。 ただ、ああいう難しいテーマを扱った曲は、観客がノリにくいんだよね。 そこが唯一残念だったと思う。」
そしてMCサーチが優勝者の名前を発表します。
サーチの口から発せられたのはシャムロックの名前でした。

優勝賞金は、滞納していた家賃の返済、妹の進学費用、
両親への恩返し、そして今後の音楽活動にあてたいと語りました。
長い激闘を経て頂点に立ったシャムロック。
次のエミネムと期待される彼は、たった今スタートを切ったばかりです。





◎ 今日の独り言 ◎
実はこの結果は、アメリカでは賛否両論を呼びました。
ジョン・ブラウンこそ優勝にふさわしいと言う声が意外に多いようです。
皆さんはどう感じましたが?(*´∇`*)
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Category: The White Rapper Show
異色の優等生ラッパー

「お前がここまで勝ち残れたのは、単にラッキーだったとしか言いようがない。
お前のラップは酷すぎるよ」
VH1の番組 「The White Rapper Show」 の中でMCサーチはこう酷評しました。
こんなキツイ言葉を浴びせられながらもヒップホップを愛しているが故に、果敢に挑戦し続けたラッパーがいます。 彼の名前はJus Rhyme。

本名 Jeb Middlebrook。 現在27歳。
ミネソタ州出身の彼は現在カルフォルニアに居を構え、奨学金を得てUSC大学で民俗学を専攻する現役の大学院生です。 人柄はとても真面目で常に礼儀正しい好青年。 何に対しても一生懸命なのが彼の取り柄です。
そんなラッパーらしからぬプロフィールを持つ彼ですが、普段はAR-15というラップグループの一員として活動し、人種差別の反対や、子供達にポジティブなメッセージを伝えるため、コミュニティで地道なライブ活動を行っています。 自らを「ポリティカルラッパー」と呼ぶ彼は、政治的・社会的テーマを扱ったラップを得意とし、決して暴力的な内容についてはラップしないという主義を貫いています。

そんな彼は、自分達の活動を広く世に知ってもらいたいという思いを旨に、VH1のリアリティ番組「The White Rapper Show」のオーディションに挑みます。 オーディション会場では人種間の結団の大切さについてラップした彼は、見事予選を突破。 10人のファイナリストの1人に選ばれます。
ラップを始めてまだ4年だというキャリアの浅い彼ですが、その聡明なリリックと情熱溢れるラップスタイルは高く評価されます。 彼のラップスキルが証明された印象的なシーンがありました。 ある日、10人のファイナリスト達はヒップホップ発祥の地、サウスブロンクスのバーバーショップへ向かいます。 地元住民たちの前で、1人ずつラップを披露することになった彼ら。 そこで誰よりも高く評価されたのこの Jus Rhyme でした。
Jus Rhyme - Freestyle in South Bronx
Jus Rhyme の真っ直ぐな性格は、番組のいたるところで垣間見れました。 番組でストリップ劇場を訪れた際も 「僕は彼女がいるから」 とダンサーとの接触を拒否。 また、グループで曲をレコーディングする時も、他のメンバーが曲の題材に「煙草」を選んだことに対して Jus Rhyme は断固反対します。
「僕はいつも子供達の前でラップしているから、ラップする内容に責任があるんだ。
煙草を吸うことがかっこイイだなんて誤解されたら困る。 絶対に嫌だ。」

そんな彼に対して周りのファイナリスト達は辛く当たります。
「あいつのお堅いラップは もう聞き飽きたよ」
「白人のくせに人種がああだこうだラップするなんて変な奴。」
どんどんと孤立していく Jus Rhyme。
そんなある日彼宛に電話が掛かってきます。 それは Jus Rhyme の大学からでした。 番組出演の為 長期欠席していた彼は、これ以上授業を欠席すると奨学金を取りやめると言い渡されます。 番組をとるか、大学をとるか。 彼に決断が迫られます。 悩んだ末彼は番組を続けることを決心します。 それは彼が何よりもヒップホップを愛しているからこその決断でした。

しかしそんな彼に別の試練がやってきます。 彼にはラッパーとして大きな弱点がありました。 それは自分が得意とするテーマ以外は全然リリックを書けないという点です。
それが明るみに出たのは第6回の放送。
その週のファイナルチャレンジで出された題材は 「Thug」。 普段は扱わない題材だけに、Jus Rhyme はリリックを書くのに苦労します。 結果的に彼の書いたリリックの出来は最悪。 審査員の Prince Paul は「聞いているこっちが恥ずかしくなるほど滑稽だ」と酷評します。
このまま Jus Rhyme の敗退が確定かと思われた矢先、優勝候補の1人に数えられていた女性ラッパー Persia がリリックを忘れてしまい途中で棄権するという思わぬ事態に。 結果として Jus Rhyme は運良くその週を勝ち残ります。

遂に Top3 にまで勝ち進んだ Jus Rhyme。
翌週、彼らは映画「8mile」の舞台にもなったデトロイトへ向かいます。 そして3人は地元のラッパー達と自分達の生き残りを賭けてラップバトルを行うことになります。 他人をけなすことを得意としない Jus Rhymes にとってまたもや大きな試練がやってきます。
MCサーチはバトルの前日に3人を呼び寄せてバトルの必勝法を伝授します。
「やるからには相手をコテンパに打ちのめせ」
「相手が言い返せないような欠点を攻撃しろ」
「パンチラインを強調してライムしろ。決して単調にラップするな。」
Jus Rhyme は誰よりも熱心に練習し、夜遅くまで準備に費やします。

そしてバトル当日。
「すこし緊張しているけど、相手を完膚なきまでに叩きのめすつもりだ」
彼の相手は地元では有名なバトルラッパーだという La Peace。 自信を持って挑んだ Jus Rhyme でしたが、相手の方が一枚も二枚も上手。 終いには会場から罵声が飛び交います。 それでも果敢にライムするJus Rhyme 。 しかし勝敗は誰が見ても歴然でした。 こうして彼はその週での敗退が決定。 最終回を目前にして彼は番組を去ることになります。
Jus Rhyme - Battle in Detroit
結果として彼は 優勝と大学の奨学金の両方を逃してしまうという残念な結果に終わりました。 しかし現在も学業と音楽を両立して活動を続けているようです。 詳しい活動内容や新曲の視聴は、彼の Offical Myspace にてチェックすることが出来ます。 なかでもメローなピアノの旋律と Jus Rhyme の情熱的なラップが絡み合う曲「More Righteous」 は特にオススメです。
2007年2月24日にウェストミシガン大学で行った彼のライブには、なんとMCサーチ と La Peace が特別ゲストとして駆けつけたとか。 Jus Rhyme は優勝こそ逃したものの、彼が番組を通じて獲た人脈というのは、それに値するものだったのかもしれませんね (*´∇`*)





◎ 今日の独り言 ◎
次回は激動の最終回の模様をお伝えします!
果たして優勝の栄冠は誰の手に?? (´∇`)ノ
Category: The White Rapper Show
俺は決して仲間を裏切らない

いよいよ佳境に入ってきた「The White Rapper Show」
先週放送された第5話では衝撃的な展開を迎えました!
MCサーチは白人ラッパー達を2チームに分けます。
それぞれのチームに曲のレコーディング、服のスタイリング、プロモーションビデオの撮影といった一連の作業を命じます。 各チームが作ったPVの出来の良さで勝敗を争うという仕組みです。 サリー率いるチームは、トラブルメイカーのジョン・ブラウン、おたく系ラッパーのジョン・ボーイという組み合わせ。 しかしサリー達は何度となく意見がぶつかり合い、衝突を繰り返します。

特別ゲストとして登場したGeto Boys の Bushwick Bill をチームメイトとして迎え入れる権利も取り逃し、サリーのチームはますます険悪ムードに。 しまいにはレコーディング中にブチ切れしたサリーがチームメイトに中指を突き出してしまう場面も。 そんな状況のなか、彼らはなんとかPVを完成させます。 そして両チームのPVをMCサーチが吟味し、勝敗を下す日がやってきます。

結果はサリーチームの敗北。 勝ったチームは無条件にその週の生き残りが確定し、負けたチームは生き残りを賭けてファイナルチャレンジに挑戦しなければなりません。 このファイナルチャレンジは、毎回MCサーチがその場でトピックを与え、そのトピックに沿ったリリックを16行以内で30分以内に書き、MCサーチの前でラップします。 MCサーチはその場で評価を下し、最も出来の悪いラッパーは番組からの敗退を余儀なくされます。

しかしMCサーチはサリー達のあまりの出来の悪さに気分を害し、彼らに厳しい課題を与えます。
「お前達のあのPVは何だ? あんなヒドイPV見た事ないぞ。 これはお前達のチームの誰かに原因があるはずだ。 そこで今回のトピックは、誰のせいで負けたかについてラップしろ。 そしてもう一つ。 今までは最下位の1名だけが敗退していたが、今回は違う。 もしお前ら全員の出来が悪ければ、お前ら全員敗退決定だ! 分かったか?? 」

浮かない顔のサリー達は、リリックを書くため紙とペンを渡され30分間密室に閉じ込められます。 番組開始以来 彼らは同じ屋根の下で暮らし、共に難関を潜り抜けてきたいわば戦友同士。 たとえお互いの間に衝突はあっても、同じチームメイトだった仲間を 自分が勝ち残るために名指しで非難し、責任を押し付けるという行為は、あまりに重い課題でした。
ジョン・ボーイ | 「 君達をディスするなんて僕には出来ないよ。 」 |
サリー | 「 俺も絶対嫌だね。 」 |
ジョン・ブラウン | 「 俺は言われたとおり お前達をディスするつもりでいる。 これはビジネスだ。 悪く思わないでくれ。 」 |
サリー | 「 お前がどうしようとお前の自由だ。 気にするな。 」 |
ジョン・ボーイ | 「 ああ、君は君が正しいと思うことをやればいいさ。 僕は僕のやり方でやる。 」 |
そして30分後。
それぞれの思惑を胸に 彼らは順番にラップしていきます。
ジョン・ブラウン

ジョン・ボーイはイイ奴だが気が弱い
ラップもエミネムの真似しているだけ
サリーは口先だけの大物かぶれ
奴はこのビジネスのことを何もわかっちゃいない
ビデオ撮影の時、奴はサボって裏で煙草吸ってやがった
こんな奴らに優勝賞金は値しない
ヒップホップは今こそ改革が必要な時
ハレルヤ・ホラバック
ジョン・ボーイ

誰のせいで負けたかを言うだなんて馬鹿げてる
僕は1人の男として 自分の言動に責任を持っている
たとえどんな金を積まれても
僕は自分の仲間を侮辱したりなんかしない
この番組は何かが間違っている
僕はナンバー1になるために ここに来た
金のために来たんじゃない
サリー

例えどんな大金を積まれても
俺は仲間の悪口なんか言わないぜ
ここから出て行けと言われても怖くなんかない
自ら辞めてやるよ
サーチ、あんたには世話になった
チャンスをくれたことに感謝はしている
でもいくらあんたに言われても
俺には出来ないことがある
仲間を裏切るようなことは絶対に出来ない
俺が俺であるために
彼らのラップを終始不満げに聞いていたMCサーチが ここで口を開きます。
「 お前達何も分かってないな。 これは試験なんだぞ。
告げ口とか そういう次元の問題じゃないんだ。
でも辞めると決めてるんなら出口はあそこだ。 出て行けよ。」

与えた課題を満たしていないという理由でサリーとジョン・ボーイは敗退を命じられます。
唯一仲間をディスしたジョン・ブラウンだけが生き残りました。
去り際に彼らはこう言い残していきます。
サリー | 「 俺達はチームだった。 だからチームメイトを非難なんてしたくなかったんだ。」 |
ジョン・ボーイ | 「 どんなことがあっても自分の信念を曲げることは出来ない。 僕は自分に正直でありたいし、そうした自分を誇りに思っている。」 |
彼らがいなくなった後、残った者達に向かってMCサーチはこう言います。
「 何度も言うが、これはお前達にとって人生最大のチャンスだ。
だから途中で逃げ出したり、投げ出すようなことはするな。
一生後悔することになるぞ。 それだけは肝に銘じておけ。」
The White Rapper Show - Sullee's Elimination
今回のこの結末は視聴者の中でも賛否両論を呼んでいます。 せっかくのチャンスを無駄にしたサリーとジョン・ボーイは愚かだという意見。 最後まで仲間に敬意を払った彼らは立派だという意見。 私は敗退を恐れず仲間を擁護した彼らの行為は立派だと思いました。 結果的に彼らは番組を去ることになりましたが、サリーもジョン・ボーイも才能あるラッパーなので、また別の形で彼らが表舞台に出てくる日を期待して待ちましょう。





◎ 今日の独り言 ◎
番組開始当初は10人いたファイナリスト達は現在4人に絞られました
Category: The White Rapper Show
ブランド・ヌビアン 対 挙動不振男

ニューヨーク出身のヒップホップグループ、ブランド・ヌビアン (Brand Nubian)
同じ New Rochelle という街で育った Grand Puba、 Sadat X、 Lord Jamar によって結成されたこのグループは、「Slow Down」 などのヒット曲を量産し、現在に至るまでに5枚のアルバムをリリースしてします。 メンバーの グランド・プーバ と サダトX はソロとしても成功していますが、もう1人のメンバーである ロード・ジャマール は前述の2人に比べると いまいち目立たない存在でした。 しかしこのジャマール氏、実はかなり怖い人だったんです。

先週VH1で放送された「The White Rapper Show」。 次期エミネムを目指す白人ラッパー達は、レコーディングスタジオでのマイクテクニックを学ぶため、プロのラッパー達からレクチャーを受ける事になります。 そこで登場したのが サダトX と ロード・ジャマール。 サダトX は 「マイクとの距離感」 や 「息継ぎのタイミング」、 「自信を持ってラップすることの大切さ」 など、丁寧に説明していきます。 メモ片手に真剣に聞き入る白人ラッパー達。 ところがここでジャマール氏が割って入ります。

ジャマール | 「 お前らに言いたいことがある。 いいか、ここにいる サダトX が誰だかわかってんのか? ラップ史に残る最高のリリシストだぞ。 なのに何故お前達にわざわざレクチャーしてあげなきゃいけないんだ? 俺はそんなの御免だね。 だいたいお前らヒップホップが何なのかわかってんのか? 」 |
いきなりご立腹のジャマール氏。 無言になる一同。 静まり返る室内。 そんな気まずい雰囲気の中、ジャマールの怒りの矛先はある1人の白人ラッパーに向けられます。 彼の名前は John Brown。 出演している10人の白人ラッパー達の中で 随一のトラブルメイカーである彼は、これまでに幾度となく他の出演者達と衝突を繰り返してきました。 自らを 「郊外の王様」 と呼び、ことあるごとに 「ゲットーを広める」 という意味不明の言葉を連発する挙動不審の人物です。

ジャマール | 「 お前らの中にゲットーを広めるとかほざいてる奴がいるらしいな 」 |
John Brown | 「 僕です 」 |
ジャマール | 「 ゲットーを広めるって何なんだよ 」 |
John Brown | 「 ブルックリンに会社を立ち上げました 」 |
ジャマール | 「 何する会社なんだ? 」 |
John Brown | 「 社員は皆ストリート出身です 」 |
ジャマール | 「 だから何をする会社なんだって聞いてんだよ! 」 |
John Brown | 「 ゲットーを広めます 」 |
ジャマール | 「 おまえゲットーが何なのか分かってんのか? ゲットーって言うのはな、俺達黒人にとって貧困と苦しみを意味するんだよ。 ゲットーを広めるってことは、エレベーターの中で放尿したり、麻薬でラリったりするのか? 」 |
John Brown | 「 僕達は経済的且つ精神的に基盤を作っていきたいんです。 全ては愛です。 」 |
ジャマール | 「 ・・・・・・ 」 |
John Brown | 「 ハレルヤ・ホラバック 」 |
ジャマール | 「 ?? 」 |
John Brown | 「 ハレルヤ・ホラバック。 ハレルヤ・ホラバック。 」 |
John Brown君の受け答えは全然会話になっていませんね。 この 「ハレルヤ・ホラバック」 も 彼が多用するフレーズで、どういう意味かは本人のみぞ知るって感じです(+Д+) 3回連続で叫ぶ意味が分かりませんな・・・
The White Rapper Show - Brand Nubian
最初はお怒りのご様子だったジャマール氏も、他の白人ラッパー達がヒップホップに対して真剣に打ち込んでいることを知るとご機嫌も直り、最後にはきちんと 「信念を持って目標に向かって走り続けろ。 誰にも惑わされるな。 やり通すんだ!」 というお言葉を残して去っていきました。 なかなか素敵なおじさんでした (*´∇`*)
Lord Jamar - The 5% Album

ジャマールは2001年に刑務所を舞台にしたテレビドラマ 「OZ」 に出演し、そこでの演技が高く評価され、その後 彼の元には仕事の依頼が殺到しました。 人気テレビドラマ 「ソプラノズ」 、 「サード・ウォッチ」 、 「Law & Order」 といった作品に軒並み出演しています。 また、2006年には待望のソロデビュー作 「The 5% Album」 を発表。 音楽活動と俳優業の両方で これからますますの活躍が期待されます。
しかし John Brown君、えらい曲者ですね。
普段の行動は奇天烈ですが、ラップは凄腕なところがまたスゴイです。 ひょっとすると 「ハレルヤ・ホラバック」 は今年の流行語になるんじゃないかと密かに期待しています(*´∇`*)





◎ 今日の独り言 ◎
番組には先週 Juelz Santana もゲスト出演しました。
すごいフレンドリーな性格で、ものすごく感じの良い人でしたよ (*´∇`*)
Category: The White Rapper Show
優勝するのは誰だ??

ケビン・フェダーラインじゃない
賞金目当てでもない
欲しいのはリスペクト
ただそれだけ
VH1で始まったリアリティ番組 「The White Rapper Show」
リスペクトを手にするためこの番組のオーディションに参加した1000人の白人ラッパー達。 デモテープによる書類審査、フリースタイルの実技審査から選ばれたのはわずか10名。 さすが厳選されただけあって、個性豊かな猛者どもばかりが集結しました。 ロンドンから来た元モデルの美人ラッパー、バニラアイスを師と仰ぐアビリル・ラビーン似の女の子、金髪モヒカンのPunkラッパー、顔から金歯までポール・ウォールのそっくりさん、MCハマーの秘蔵っ子、挙動不審のトラブルメイカー などなど。










もちろん外見だけでなく、それぞれが卓越したラップスキルの持ち主です。 優勝予想をするにあたって、こちらのビデオをご覧ください。 かつて音楽業界で成功した白人ラッパー達の歴史と、オーディションを勝ち抜いた10人のラッパー達のフリースタイルをダイジェストで見ることができます。
The White Rapper Show - 10 Finalists
皆さんは誰が優勝すると思いますか?
私は Sullee に優勝して欲しいですが、$hamrockが侮れないと思っています。
ともあれ これから番組を通して熾烈な優勝争いが始まります。
果たして最後に笑うのは誰か? 乞うご期待です! (´∇`)ノ





◎ 今日の独り言 ◎
皆さんの優勝予想を聞かせてください (*´∇`*)
Category: The White Rapper Show
MC Serch が次期エミネムをサーチする番組

90年代前半に活躍した白人ラップグループ3rd Bass。
そのメンバーの MC Serch がホストを務める新番組がVH1で始まります。
その名も「The White Rapper Show」
MC Search とPrince Pall によってオーディションで選ばれた10人の白人ラッパー達。 彼らはヒップホップ発祥の地サウス・ブロンクスで共同生活を始め、地元住民達の前で行われるフリースタイルバトル、ライブパフォーマンス、そしてヒップホップカルチャーをどれだけ理解しているかを確かめるクイズ大会(!)など、毎週与えられた課題に挑戦していきます。 最も評価の低かった参加者が1人ずつ敗退していくというサバイバル形式で番組は進行し、最終的に残った優勝者には賞金10万ドルが贈呈されるという流れ。
The Whiter Rapper Show - Trailer
「ヒップホップ版 American Idol」 と考えてもらえればわかり良いでしょうか。 特別ゲストとしてファット・ジョーや、キッド・ロック、エバーラスト、グランド・マスター・フラッシュといった有名ラッパー達も番組に登場します。 そしてなんと! 10人の白人ラッパー達のなかに 以前エントリで紹介した Sullee の姿が!!

ボストン出身の Sullee は現在22歳。 これまでにテディ・ライリー、モーリス・スターといったビックネーム達に認められた彼はラップグループTCBの一員としてそのキャリアをスタートさせ、その後ソロに転向。 ラッパー歴16年を誇る実力派です。
第1回目の放送の予告編を見ると、はやくもそのサリー君が大暴れしているご様子。
「てめぇ、喧嘩売ってんのか? かかってこいよ、コラァ!!」
とキレまくっています。 一体何があったんでしょうか?? (((゚∇゚;)))
The Whiter Rapper Show - Sullee
ともあれ私は彼のラップがすごい好きなので、なんとしてでも勝ち残って欲しいです。 このブログでも可能な限り番組の進行状況をお伝えしていきたいと思っています。 ちなみに以前ご紹介した彼の2ndアルバム 「Destiny」 はその後 発売が延期され、現在のところリリースは未定。 1stアルバム 「It's Time」 に関しては、CD Babyにて購入可能です。

また、Joe Buddenを大々的にフーチャリングした曲 「What 'Cha Tryin 2 Do 」を収録した Mix CD 「Diversify Your Hustle」 もリリースされました。 彼の Official MySpace にて視聴可能ですので、是非チェックしてみてください。 ちなみにMySpaceでは Young Huff という名前を使っています。 これは Sullee がたまに使っているもう1つのニックネームで、由来は Playboy Magazine の創始者で億万長者の色男 Hugh Hefner から引用したそうです。

珍しいデザインが特徴的な Official Site も要チェックです。 サイトそのものがテレビ画面のデザインになっていて、左側にあるチャンネルボタン(+)(-)を押すと次のコンテンツに移動できます。 貴重なライブ映像や最新ニュースがアップロードされています。
Sullee が優勝を目指して参加している「The White Rapper Show」 は 本国アメリカで1月8日から放送開始だとか。 しかしVH1はいつも面白い番組を作りますね。 日本でも放送してくれないかな (*´∇`*)





◎ 今日の独り言 ◎
MCサーチさんしばらく見ないうちに恰幅が良くなりましたね(*´∇`*)