Category: 未分類
106 & Park の新MCはやたら可愛い

BET局の看板番組「106 & Park」
2000年から放送開始されたこの音楽番組は、立ち上げ当初から AJ と Free という息の合った男女の司会者が番組を盛り上げてきました。 しかしながら2005年に彼らは番組を降板。 他の事にも挑戦していきたい というのがその理由でした。

急遽名物MCを失ったBETは、その代役として同じ局で放送されている他番組の司会者をしていた Big Tiger と Julissa Bermudez という2人に白羽の矢を立てます。 ところがこのコンビ、あまり評判が良くなかったのか就任から僅か1年で降板することになります。
次期MCには才能ある新しい人材を発掘しよう、ということでBETは「 New Faces Search 」いうコンテストを大々的に開催します。 5000人を越える参加者の中から選ばれたのが Terrence J と ROCSI という2人の若者でした。 彼らは2006年から当番組の司会者を務めています。

とにかくこのROCSIという女性MCがむちゃくちゃ可愛いわけです (*´∇`*)
本名 Raquel Diaz。
1983年 ホンジュラス生まれ。 家族と共にアメリカに移住し、ニューオリンズで育ちます。 ニコラス州立大学を卒業後、テキサス、ボストン、シカゴのラジオ局でディスクジョッキーとして活躍。 DJとしてのキャリアを築いた後、前述のコンテストで見事優勝し、人気テレビ番組のホストとして大抜擢されたわけです。
AJ & Free が降板後の「 106 & Park 」はあまり面白くないという声もありますが、人気復活にむけて大いに番組を盛り上げてくれると思います。
以下は番組に出演したアーティスト達との写真です。
バスタ・ライムスと

マーカス・ヒューストンと

フレイバー・フレイブと

クリスティーナ・ミリアンと

ちなみにROCSI嬢の趣味はサルサとボクシングだとか。
今はまだメディアへの露出が少ないため、彼女の詳しい情報などがあまり分からないのが現状ですが、今後の更なる活躍に期待大です (*´∇`*)





◎ 今日の独り言 ◎
余談ですがバスタ・ライムスが最近巨大化しているような気がするのですが
気のせいでしょうか??(+Д+)
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Category: R&B全般
越えられなかった高い壁

以前ご紹介したアジア系アメリカ人R&Bグループの Next Phaze。
その彼らが解散したというニュースが入ってきました。 現存するアジア系R&Bグループの中でも最も精力的に活動していた彼らだけに、なんとも惜しまれます。
ここ日本ではいまいちアジア系アメリカ人によるR&Bグループというのがあまり伝わってこないので、彼らについてご存じない方も多いと思います。 まずはこちらの映像をご覧ください。 Next Phaze が Dru Hill の「 Tell Me 」をアカペラで熱唱しています。 彼らの実力が垣間見れるパフォーマンスです。
Next Phaze - Tell Me
Next Phaze が結成されたのは今から6年前のこと。
サンフランシスコのベイエリアにある同じ高校に通う5人の友人達で始まりました。 メンバーは皆がフィリピン系アメリカ人。 教会じこみのゴスペルで鍛えた力強い歌声を武器に、これまでに数々の賞を総なめにしてきました。 2000年にはインディーズからEP「 Next Phaze 」でCDデビュー。 このアルバムにはグレン・メロディアスのかつての大ヒット曲「 Nothing's Gonna Change My Love 」をR&B風にアレンジした美メロ曲が収録されています。

その後メンバーの1人が脱退を表明。 残された4人で活動を続けることになった彼らは、再出発の足掛かりとして 2006年8月に デビット・フォスター主催のオーディション番組「 Star Tomorrow 」に挑戦します。 予選オーディションで デビット・フォスターの前で得意のアカペラを披露した彼らは、その実力を認められ見事本戦への出場権を獲得しました。 決勝ラウンドでは惜しくも敗退したものの、同じ年に初のフルレングスアルバム「 Back To The MIC 」をリリースしました。

しかしながら2007年4月27日に突然の解散表明。
Official Myspace を通して以下のようなメッセージを発表しました。
この6年間、2枚のアルバムと、数え切れないほどのパフォーマンスをしてきましたが、僕達はこれから別々の道を歩むことになりました。 ミュージシャンとしての夢を追い続けるのはとても大変なことで、今が引き際なのだと感じました。 Next Phazeとしての時間に区切りを付け、これからはそれぞれの夢に向かって進みたいと思います。
今まで応援してくれた暖かいファンの人たち。 そして一緒に頑張ってきた才能あるアジア系アメリカ人のアーティスト達。 みんなに対する感謝の気持ちでいっぱいです。 僕達は今の音楽業界にあるアジア系に対する人種のバリアを壊そうと戦ってきました。 いつの日かアジア系アメリカ人がもっとポジティブに扱われて、メディアでもっともっとたくさんのアジア系アーティスト達が取り上げられる日が来ることを僕達は信じています。
今までありがとう。
またどこかでお会う。

また一つ貴重なグループを失ってしまったような気がします。 アジア系アメリカ人が現在の音楽業界で大成するには、まだまだ大きな壁があるるようです。 その壁を越えられる日がいつか来ることを私も信じています。





◎ 今日の独り言 ◎
実力あるアジア系アメリカ人のR&Bグループは、その大半がフィリピン系アメリカ人の方々です。 彼らは音楽的才能に大変長けた人達なのです。
Category: R&B全般
バリオ・ボーイズが帰ってきた!

あの Barrio Boyzz が復活です!
バリオボーイズは1990年にニューヨークで結成されたボーカルグループ。 わかり易く言うと「 ラテン版ニューエディション 」といった感じでしょうか。 ニューヨーク在住の音楽マネージャー Joe Jacket が厳選したというこの5人のイケメン達は、それぞれがブロンクス、ブルックリン、クィーンズ出身。 メンバー全員がプエルトリコ系アメリカ人で英語とスペイン語に流暢なバイリンガルです。

マネージャーのJoe Jacket は、まず彼らがグループとしてやっていけるかどうかを見極めるため、1年間の共同生活を命じます。 その1年を通してボーカル、ダンスレッスンに励み、実力と結束力を高めた彼らに Joe はようやく太鼓判を押します。 そして1991年、バリオボーイズは Capital Records から「 Crazy Coolin 」にてデビューします。

結成当初の彼らの音楽性はラテン色が濃厚で、かつてリッキー・マーティンが所属していたメヌードのフォローワー的ポジションでした。 スペイン語と英語を交えて歌う彼らは その後2枚のプラチナムアルバムを記録。 ラテン界の伝説的歌姫、セレナとの共演も果たします。

R&Bファンに是非注目して欲しいのは、1995年にリリースしたアルバム「 How We Roll 」。 このアルバムで彼らは大胆な方向転換を図ります。 これまでのラテン界のポップアイドルというイメージから脱却し、ストレートなR&B作品に真っ向から挑戦した意欲作です。 プロデューサーとしてダリル・シモンズやフルフォース、ホワイトヘッドブラザーズを招き、同じくプエルトリコ系のラッパーの Fat Joe も参加しています。 シングルカットされた「 How We Roll 」と「 I Wish 」の2曲は、彼らのR&B能力を存分に証明する力作でした。
Barrio Boyzz - How We Roll
しかし良質な内容なのにもかかわらずセールスに思ったりより伸びず、結局彼らは再びラテンポップアイドル路線に戻ることになります。 R&Bファンにとっては、とても聞くに堪えないラテンポップ曲が詰め込まれたその後の彼らのアルバムは、彼らをインディー落ちさせる結果を生みます。 この頃からメンバーの入れ替わりが激しくなり、アルバムを発表するごとに顔ぶれが変わっていくという状態に。 グループは迷走を続けることになります。

当時人気全盛だったバックストリートボーイズを模倣するかのようなジャケットがなんとも悲しい2000年のアルバム「 Destiny 」を最後に、バリオボーイズは活動を中止。 かつての名声は次第に薄まり、彼らは忘却の彼方へと押しやられます。
そして2007年。 7年間という長いブランクを経て彼らは再びシーンに舞い戻って来ました! 新生バリオボーイズのメンバー構成は4人組。 そのうち3人がオリジナルメンバーという顔ぶれです。 前述の「How We Roll」で野太いボーカルを披露していたハン・ソロ君も健在です! 今回の活動再開を機にグループ名をスペイン語表記の「 Boyz del Barrio 」に改名しての再出発となりました。 先攻シングル「 Mama 」は、スペイン語に英語を交えて歌うラテンR&B風味に仕上がっています。
Boyz Del Barrio - Mama
今後はアメリカのスパニッシュ系コミュニティをマーケティングに捉えた活動を続けていくようで、インディーズながら年内アルバム発売を目標に現在レコーディング中だそうです。 グループ結成から17年も経った彼らが、今でも現役として活動していることに 嬉しさを感じる今宵なのでした・・・ (*´∇`*)





◎ 今日の独り言 ◎
ボーイズと名乗るには弱冠 歳を取りすぎてしまった感もありますが、
元気なおじさんたちが歌って踊ってもいいじゃないですか♪ (*´∇`*)
Category: B2K
白人版B2Kが登場

ここ日本でも大ヒットしたダンス映画「 You Got Served 」。 この映画で監督を務めたクリス・ストークス( Chris Storkes )は、元々音楽プロデューサーとして地位を築いた人です。 それだけでなく、彼は新人発掘の能力にも大変長けた人物で、これまでにB2K、Omarion、Immature、Marques Houston、Smooth といった多くのアーティスト達を育ててきました。

そんな彼が今回新たなグループを送り込んできました。 その名もNLT。 驚くことなかれ、なんと全員白人のティーンエイジャーです。 音楽業界で15年以上のキャリアを持つクリス・ストークスですが、彼が白人アクトを手掛けたのはこれが初めて。 新たなジャンルに着手したわけです。
ロサンゼルスでダンサーとして活動していたヴイとJJ、テキサスで演技の勉強をしていたトラビスとケヴィンが知人を介してクリス・ストークスと出会ったのは今から7年前。 クリス・ストークスが経営するマネージメント会社TUG初の白人グループとしてNLTが発足します。

クリス・ストークスの厳しい指導の下、修行の日々を送る彼ら。 そんなある日彼らの元に大きなチャンスが訪れます。 彼らのパフォーマンスを見た Geffin Record の CEO、 ロン・フェアーが NLTをいたく気に入り契約が成立。 彼らはデビューアルバムのレコーディングに取り掛かります。 このアルバムにはティンバーランドやアンダードックス、マーカス・ヒューストンといった豪華プロデューサー達が参加しています。

NLTのメンバーはポップ~R&Bミュージックに影響を受けていると語り、好きなアーティストに Justin Timberlake、Usher、B2K、ジョン・メイヤー、Cold Play などの名前を挙げています。 彼らのデビューシングル「 That Girl 」は、そんな彼らの音楽性を示すかのようなポップ嗜好の強いダンスナンバー。 プロデュースはアンダードックスが手掛けています。
PVは退屈なプロムパーティーをNLTが歌って踊って盛り上げると言う内容。 ありがちな展開ですが、ダンスバトルや床移動式のプール付き体育館というバブリーな要素が新鮮に映ります。 あとすごい悪人ズラのやきもち番長にも注目です(笑)
NTL - That Girl
彼らの見た目で敬遠することなかれ、さすがアンダードックスのプロデュース作品だけあって、なかなか堅い良質な出来あがりになっています。 何気に私のなかでヘビロテ入りしています。
彼らのグループ名であるNLTは、Not Like This (=誰のようでもない)の略だとか。 一時期は飽和状態にあったB2Kフォローワー達。 このNLTがオンリーワンになれる日は果たして来るのでしょうか? デビューアルバム「 Not Like Them 」は、2007年6月26日に発売予定です。





◎ 今日の独り言 ◎
クリス・ストークスはこのNLTと、以前ご紹介した2muchを
次世代向け2枚看板として売り出そうとしています(*´∇`*)
Category: The White Rapper Show
次のエミネムはこいつだ
今年の1月から放送が開始され、アメリカで話題を呼んでいるテレビ番組「The White Rapper Show」。 エミネムに続く優れた白人のラッパーを捜すというこの番組。 以前からその動向をここでお伝えしてきましたが、その後どうなったのでしょうか?? ということで今回は激動の最終回の模様をお伝えします! 番組当初にオーディションに参加した1000人の白人ラッパー達の中から決勝ラウンドまで残ったのはこの2名です。

ジョン・ブラウン (John Brown)
本名 Greg Kaysen。 カルフォルニア出身の26歳。
自称「郊外の王様」。口癖は「ハレルヤ・ホラバック」
支離滅裂な言動とは裏腹に、リリシストとしての才能は極めて高い。
誰を前にしても決して物怖じせず自我を通す度胸の持ち主。

シャムロック ($hamrock)
本名 Timothy Rasmussen。 アトランタ出身の23歳。
ポール・ウォールばりの金の入れ歯がチャームポイント。
独特なメロディを持つフローと早口ラップが特徴。
クレイジーなジョン・ブラウンとは対称的にとても良識派。
最終回では番組の司会を務めるMCサーチが、この2人を Rucker Park に連れて行くところから始まります。 ここはニューヨークのハーレムにある有名な屋外バスケットコート。 由緒あるこの場所で、ジョン・ブラウンとシャムロックはバスケの試合のハーフタイムショウでパフォーマンスすることになります。 客席は地元市民で埋め尽くされ、熱気ムンムン。 その雰囲気に圧倒されて、普段はクールなジョン・ブラウンも「 客にウケなかったらどうしよう 」と、いつになく弱気な発言が飛び出します。 そんな緊張感が漂うなか、いよいよ彼らのライブが始まります。

まずはシャムロックから。 そこで予期せぬトラブルが発生! なんとマイクの音量が小さくて、シャムロックのラップが会場に全然聞こえないという最悪の事態に。 観客もしらけムードのまま、無残にもシャムロックの出番は終了してしまいます。 続くジョン・ブラウンは、マイクトラブルもなく、あぶなげなくラップし、会場からのウケも上々。 本番に強いところを見せ付けます。

思わぬマイクトラブルにタオルをブンブン振り回して悔しがるシャムロック。 気の毒に思ったMCサーチは、もう一度シャムロックにラップさせてあげます。 挽回するぞとばかりにマイクを握ったシャムロックですが、今度はパフォーマンスしている最中に金の入れ歯が外れてしまうと言うトラブルが発生(笑) 指で入れ歯を押さえながらなんとか切り抜けます。 不運なトラブルに見舞われたシャムロック。 ここではジョン・ブラウンが一歩リードといった感じでライブは終わります。
Shamrock & John Brown - Performance in Rucker Park
しかしこれはあくまでも小手調べ。
ウォーミングアップにしかすぎません。
最終決着はその日の夜に行われることになりました。
場所はニューヨークのダウンタウンにある怪しさ漂うアンダーグラウンドなクラブ「 Hell 」。 会場の入りは満員。 特別審査員としてプリンス・ポール、ダンテ・ロス、クリントン・スパークスといった中堅どころのプロデューサー達も駆けつけました。 ここでジョン・ブラウンとシャムロックは、自作の曲を順番に2曲パフォーマンスします。 会場の反応などを踏まえながら、MCサーチをはじめとした審査員達が吟味し、最終的に優勝者を選ぶと言う流れで進んでいきます。

まずはジョン・ブラウン。 歯切れの良いラップフロウで、一字一句詰まることなく、完璧にパフォーマンスしてみせます。 次にシャムロック。 トゥイスタばりの早口ラップで攻めていきます。 途中リズムを外してしまう所もありましたが、そのまま勢いで押し通しオリジナリティ溢れるところをアピールしました。

そしてジョン・ブラウンの2曲目。 「Car Wars」と題したその曲は、車社会・石油問題をテーマにした社会派ソング。 彼のリリシストとしての才覚を遺憾なく発揮します。 一方のシャムロックは、明るいパーティーチューンで勝負。 笑顔で「ヘーイ、ヘーイ」とステップを踏みながら会場を煽ります。 ラップと歌を混ぜあわせたパフォーマンスを展開し、最後は観客もサビ部分を口ずさみ、会場全体は一体感に包まれます。
John Brown & Shamrock - Final Performance
ライブを終えた2人は、いったん舞台裏へ。
そこでシャムロックがジョン・ブラウンに声をかけます。
「お互い全力でやったし、どっちが優勝してもおかしくないと思う。
もしお前が優勝したとしても、俺はお前を祝福したいと思ってる。」

一方会場では審査員達が互いの感想を述べ合あいながら、誰が優勝に値するかを検討します。 長い長い議論の後、いよいよ発表の時がやってきます。 ステージに現れた2人を祝福しながら、MCサーチは今回のパフォーマンスについてこう感想を述べます。
「シャムロック、君のパフォーマンスは見ていて楽しかったよ。もし1つだけ言うのならば、観客を盛り上げることに固執しすぎた感があったかな。 ジョン・ブラウン、君の書いたリリックには驚かされたよ。 まさに君のリリシストとしての高い能力があってからこそ出来た曲だと思う。 ただ、ああいう難しいテーマを扱った曲は、観客がノリにくいんだよね。 そこが唯一残念だったと思う。」
そしてMCサーチが優勝者の名前を発表します。
サーチの口から発せられたのはシャムロックの名前でした。

優勝賞金は、滞納していた家賃の返済、妹の進学費用、
両親への恩返し、そして今後の音楽活動にあてたいと語りました。
長い激闘を経て頂点に立ったシャムロック。
次のエミネムと期待される彼は、たった今スタートを切ったばかりです。
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◎ 今日の独り言 ◎
実はこの結果は、アメリカでは賛否両論を呼びました。
ジョン・ブラウンこそ優勝にふさわしいと言う声が意外に多いようです。
皆さんはどう感じましたが?(*´∇`*)

ジョン・ブラウン (John Brown)
本名 Greg Kaysen。 カルフォルニア出身の26歳。
自称「郊外の王様」。口癖は「ハレルヤ・ホラバック」
支離滅裂な言動とは裏腹に、リリシストとしての才能は極めて高い。
誰を前にしても決して物怖じせず自我を通す度胸の持ち主。

シャムロック ($hamrock)
本名 Timothy Rasmussen。 アトランタ出身の23歳。
ポール・ウォールばりの金の入れ歯がチャームポイント。
独特なメロディを持つフローと早口ラップが特徴。
クレイジーなジョン・ブラウンとは対称的にとても良識派。
最終回では番組の司会を務めるMCサーチが、この2人を Rucker Park に連れて行くところから始まります。 ここはニューヨークのハーレムにある有名な屋外バスケットコート。 由緒あるこの場所で、ジョン・ブラウンとシャムロックはバスケの試合のハーフタイムショウでパフォーマンスすることになります。 客席は地元市民で埋め尽くされ、熱気ムンムン。 その雰囲気に圧倒されて、普段はクールなジョン・ブラウンも「 客にウケなかったらどうしよう 」と、いつになく弱気な発言が飛び出します。 そんな緊張感が漂うなか、いよいよ彼らのライブが始まります。

まずはシャムロックから。 そこで予期せぬトラブルが発生! なんとマイクの音量が小さくて、シャムロックのラップが会場に全然聞こえないという最悪の事態に。 観客もしらけムードのまま、無残にもシャムロックの出番は終了してしまいます。 続くジョン・ブラウンは、マイクトラブルもなく、あぶなげなくラップし、会場からのウケも上々。 本番に強いところを見せ付けます。

思わぬマイクトラブルにタオルをブンブン振り回して悔しがるシャムロック。 気の毒に思ったMCサーチは、もう一度シャムロックにラップさせてあげます。 挽回するぞとばかりにマイクを握ったシャムロックですが、今度はパフォーマンスしている最中に金の入れ歯が外れてしまうと言うトラブルが発生(笑) 指で入れ歯を押さえながらなんとか切り抜けます。 不運なトラブルに見舞われたシャムロック。 ここではジョン・ブラウンが一歩リードといった感じでライブは終わります。
Shamrock & John Brown - Performance in Rucker Park
しかしこれはあくまでも小手調べ。
ウォーミングアップにしかすぎません。
最終決着はその日の夜に行われることになりました。
場所はニューヨークのダウンタウンにある怪しさ漂うアンダーグラウンドなクラブ「 Hell 」。 会場の入りは満員。 特別審査員としてプリンス・ポール、ダンテ・ロス、クリントン・スパークスといった中堅どころのプロデューサー達も駆けつけました。 ここでジョン・ブラウンとシャムロックは、自作の曲を順番に2曲パフォーマンスします。 会場の反応などを踏まえながら、MCサーチをはじめとした審査員達が吟味し、最終的に優勝者を選ぶと言う流れで進んでいきます。

まずはジョン・ブラウン。 歯切れの良いラップフロウで、一字一句詰まることなく、完璧にパフォーマンスしてみせます。 次にシャムロック。 トゥイスタばりの早口ラップで攻めていきます。 途中リズムを外してしまう所もありましたが、そのまま勢いで押し通しオリジナリティ溢れるところをアピールしました。

そしてジョン・ブラウンの2曲目。 「Car Wars」と題したその曲は、車社会・石油問題をテーマにした社会派ソング。 彼のリリシストとしての才覚を遺憾なく発揮します。 一方のシャムロックは、明るいパーティーチューンで勝負。 笑顔で「ヘーイ、ヘーイ」とステップを踏みながら会場を煽ります。 ラップと歌を混ぜあわせたパフォーマンスを展開し、最後は観客もサビ部分を口ずさみ、会場全体は一体感に包まれます。
John Brown & Shamrock - Final Performance
ライブを終えた2人は、いったん舞台裏へ。
そこでシャムロックがジョン・ブラウンに声をかけます。
「お互い全力でやったし、どっちが優勝してもおかしくないと思う。
もしお前が優勝したとしても、俺はお前を祝福したいと思ってる。」

一方会場では審査員達が互いの感想を述べ合あいながら、誰が優勝に値するかを検討します。 長い長い議論の後、いよいよ発表の時がやってきます。 ステージに現れた2人を祝福しながら、MCサーチは今回のパフォーマンスについてこう感想を述べます。
「シャムロック、君のパフォーマンスは見ていて楽しかったよ。もし1つだけ言うのならば、観客を盛り上げることに固執しすぎた感があったかな。 ジョン・ブラウン、君の書いたリリックには驚かされたよ。 まさに君のリリシストとしての高い能力があってからこそ出来た曲だと思う。 ただ、ああいう難しいテーマを扱った曲は、観客がノリにくいんだよね。 そこが唯一残念だったと思う。」
そしてMCサーチが優勝者の名前を発表します。
サーチの口から発せられたのはシャムロックの名前でした。

優勝賞金は、滞納していた家賃の返済、妹の進学費用、
両親への恩返し、そして今後の音楽活動にあてたいと語りました。
長い激闘を経て頂点に立ったシャムロック。
次のエミネムと期待される彼は、たった今スタートを切ったばかりです。





◎ 今日の独り言 ◎
実はこの結果は、アメリカでは賛否両論を呼びました。
ジョン・ブラウンこそ優勝にふさわしいと言う声が意外に多いようです。
皆さんはどう感じましたが?(*´∇`*)