Category: ヒップホップ全般
かつての人気女性ラッパー、YO-YOは今?

かつて西海岸No.1の女性ラッパーと呼ばれたYo-Yoを覚えているでしょうか?
グラミー賞にもノミネートされたことのある彼女ですが、現在はどうしてるのでしょうか?
これまで彼女が歩んできた軌跡も含めてそのキャリアをざっと振り返ってみましょう。
1. 女版アイス・キューブの登場
ヨーヨーは1971年ロサンゼルス生まれ。
本名のヨランダをもじってヨーヨーというあだ名がつきました。 彼女が19歳の時にアイスキューブに発掘され、キューブのアルバム「 AmeriKKKa's Most Wanted 」に参加します。 彼女のラッパーとしてのキャリアの始まりでした。 その翌年にはアイスキューブの所有するレーベルからデビューシングルとなる「 You Can't Play With My Yo-Yo 」をリリース。 アイスキューブと共演したこの曲は大ヒットを記録し、デビュー1枚目にしてビルボードの Hot Rap Single チャートで1位を獲得します。

ヨーヨーのその人気の秘訣は、もちろんアイス・キューブの全面的バックアップを受けたこともそうですが、何よりも男性顔負けの力強いアティトゥードと、女性であることを前面に出したリリックが同姓から高い支持を受けました。 また、同時期に活躍した クイーン・ラティファ や MCライト といった女性ラッパー達はみな東海岸出身であり、ヨーヨーのような女性ラッパーは当時のウェストコーストでは極めて稀な存在であり、そのようなことも彼女の人気につながったと思われます。
2. 二枚目のジンクス

その後のヨーヨーに厳しい現実が待ち受けていました。
セカンドアルバム「 Black Pearl 」では大胆な方向転換に試み、これまでの激しいリリックを封印して一貫したポジティブなリリックを展開します。 これが原因で多くのファン達が離れ、アルバムは大きな失敗作に。 その後ヨーヨーは再び元のスタンスに戻り、翌年に3rd「 You Better Ask Somebody 」で起死回生を計ります。 キューブと再び共演した 「 The Bonnie and Clyde Theme 」はスマッシュヒットしますが、アルバムはヒットせず、デビュー当時の成功には遠く及びませんでした。

レコード会社をエレクトラに移籍して1996年にリリースした4thアルバム「 Total Control 」も失敗に終わり、その後3年のブランクを挟んで彼女は再びスタジオに戻ります。 ミッシー・エリオットを大々的に招いて新境地に挑んだ意欲作 「 Ebony 」を完成させますが、前評判に手応えを感じなかったレコード会社側はこのアルバムの発売中止を決断。 陽の目を見ぬままお蔵行きとなってしまいます。 これ以降 現在に至るまで彼女のアルバムは一切リリースされていません。 ウェストコーストのおける女性ラッパーの先駆者である彼女にとって、それはなんとも寂しすぎる終焉でした。
「 あの頃は自分のオリジナリティを見失っていた時期だと思う。
東海岸のプロデューサーと組んだり色々試行錯誤したけど結局機能しなかったの。
今思い返してみれば、あの作品がああいう形でリリースされなくて逆に良かったと思っているわ。」
3. 女優として、DJとして

ラッパーとして第一線から退いた彼女は、活躍の場を銀幕へと移します。
兄貴分であるアイスキューブが出演していたフッドムービーの傑作「 Boyz N The Hood 」に小さな役で出演したことをきっかけに、彼女は着実に女優としての仕事を増やしていきます。 「 メナースIIソサエティ 」や「 天使にラブソングを2 」、「 Who's The Man 」、「 パンサー 」など、決して大きな役ではないけれども有名どころのブラックムービーにコンスタントに出演します。 さらに音楽界を引退してからは名門の演技学校「リー・ストラバーグ・インスティテュート」に入学し、本格的に2年間演技を勉強しました。 そして2008年現在に至るまでに合計20作品もの映画やドラマに出演しています。



その一方でロサンゼルスのラジオ局KDAY.にて長年ディスクジョッキーを務めます。 そこでの活躍が認められ、ここ日本でも大ヒットしたテレビゲーム 「 Grand Theft Auto: San Andreas 」にラジオのDJ役で参加しています。
近年ヨーヨーは更なる新しい活動を見せています。 自らの母校であるロサンゼルスにある高校の作詞クラスで教鞭を取ったり、MCライトと共に才能ある若者に奨学金を送るためのチャリティイベントを度々開催するなど、指導者として積極的に地域に貢献しています。
4. 次なるヨーヨーを捜して

「 音楽界を離れて改めて自分がヒップホップが好きだと言うことを痛感したわ 」
2008年。
ヨーヨーは再びヒップホップの舞台を戻ってきます。
アメリカのテレビ局VH1で今年の4月から放送されている新番組 「 Miss Rap Supreme 」は、ヨーヨーがホストを務めるヒップホップ番組です。 この番組では次世代の女性ラップスターを発掘しようという狙いのもと、全米で開催されたオーディションを勝ち抜いた10人の才能溢れる女性ラッパー達が、優勝をめざして毎回課題に挑戦していくというリアリティ番組です。

「今のヒップホップ界には女性ラッパーの数が圧倒的に少ないと思う。
この番組に出演している10人の女性ラッパー達が、その状況をきっと変えてくれるはずよ。
もちろん私にもチャンスがあればラッパーとしてもう一度挑戦したいと思っているわ。」
90年代初頭に女性ラッパーとしての道を切り開いたヨーヨーが自ら新たなる才能を見出し、女性ラッパーの復興に一役買おうと現在奮闘中です。 その新しい才能が今後どう開花するのか。 そしてヨーヨー自身のラッパーとしてのカムバックがあるのか。 今後の展開がとても楽しみです。





◎ 今日の独り言 ◎
番組のもう1人のホストは 3rd Bass のMCサーチが務めています
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Comments
Blue様へ
Blueさんはじめまして!コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまってごめんなさい・・ 頂いたリンク、既に削除されていたようなので再生できませんでした。 もし、同じ動画が他にあれば、教えてください。チェックしてみたいと思います。
特徴的な声なのですぐわかると思います!
ちなみに私はyo-yoの中でMackstressが1番好きな曲です^ - ^